膨らまない話。

Tyurico's blog

プレシャス・ウィルソンはもっと評価されるべきシンガーだと思う。

ディスコブームの頃、ヨーロッパで活動していたイラプション(Eruption)というバンドがあって、1975年から1979年の間のボーカルだったのがプレシャス・ウィルソンPrecious Wilson)。
とてもパワフルな声でそしてすごく上手い。「ボーカル担当」とかでなく、実力派女性ソウルシンガーと言ってもいいと思う。イラプションはそれなりにヒット曲もあって、日本でもレコードが発売されたらしい。



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この曲のオリジナルは女性ソウルシンガーのアン・ピーブルスアン・ピーブルスは知らなかったが、トゥーツ・ヒバートによるカバーの方は知っていて、そこからの繋がりでプレシャス、・ウィルソンを知った。
 


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スローな曲がまたいい。ディスコブームとか関係なく確かな実力のある歌手という感じ。 

 

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あの時代なので衣装はこんな風だが。なんだろ、コズミック&エキゾチックみたいな感じ?
 
 

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最高のボーカルなのに最低の衣装。なぜ半魚人。初見、不覚にも笑ってしまった。本人は楽しんでるみたいだがこれじゃまるで色物みたいで、こういう売り出し方も災いしたのかと思ってしまう。
 
 

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これは『恋の片道切符』のタイトルで日本でも発売されたらしい。ニール・セダカの曲のカバー。
 


Eruption - Party,Party (1977)
この曲で「パーティ・ピープル」という言葉がこの時代からあったことを知った。いややっぱりこの人ほんと上手い。
 
 
ディスコブームの数あるバンドの一つとしてしか認知されていないと思うが、彼女のボーカルはブームを突出していたと思う。もっと普通にソウル、R&B系のシンガーとして活躍できたと思われるのに惜しい。
まあつい最近知ったばかりなんだが。
 
極東の一隅において小さな声で語るばかりだけれど、プレシャス・ウィルソン、あなたの歌声は素晴らしい。
 


コンピレーション盤。
最初にこれを買った。Precious Wilson + Eruption という表記の通り、プレシャス・ウイルソンをメインにした選曲となっていて、彼女のソロ活動後の曲も入っている。
しかし代表曲が90年代風のリミックスをされていて、アメリカのアマゾンを見ると往年のファンの怒りの声が並んでいた。リミックスも良いんだけど、オリジナルを外してリミックスを入れるようなことをするからいけない。ボーナストラックとして入れれば良かったのに。 


ファーストアルバム
イラプションとしてのアルバムなので男性ボーカルの曲や男女ボーカルの曲も入る。リマスターしてるんだかしてないんだか、なんか先に紹介したコンピレーション盤に比べてボーカルが埋もれてしまっているようなのは気のせいなのか。
ボーナストラックを5曲追加収録。


セカンドアルバム


The Best of Eruption

The Best of Eruption

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2017年に出たアルバム。最新のベスト盤がついに出たかと思ってすぐに買ったのだがどうも昔のベスト盤のレコードにボーナストラックを追加しただけのCDみたい。イラプションとしてのベスト盤なので、ジャケットデザインはこんなのだがプレシャス・ウィルソン脱退以後の女性ボーカルの曲も入っていて、私にとっては中途半端なアルバムだった。悪くはないのだが、期待していたぶん残念。
しかしまあ他のメンバーの扱いが何ともひどいジャケット。
 

作家Aを大好きになったのだが、 しかしAが大好きだという先輩作家Bには何も感じなくて、みたいな話

これは文学でも音楽でも。

たとえば近頃、私はスライ&ロビーというミュージシャンが好きになった。
スライ&ロビーの片割れスライ・ダンバーの名は、彼がソウルのスライ・ストーンの大ファンだったのでそれで「スライ」と呼ばれるようになったらしい。

スライ&ロビーが好きだから、そのスライ・ダンバーが大好きだというミュージシャンであればやはり興味もわく。
それでスライ・ストーンを聴いて好きになれたら万々歳なのだが、ためしに聴いてみたら「あれ?」で終わってしまい特に感じるところがなかったのだった。まあYou Tubeで少し聴いただけだし今後また違ってくるかもしれないが。
 
昔はこういう不一致に困惑して「やっぱりこれがわからないと駄目なのか」みたいに感じてしまったものだが、もうこの頃はその辺りの整合を求めることもなくなって「いずれ良さがわかるかもしれないし、またわからなくても別にまあいいか」と思うようになった。
 

TAP the POP のもう少し頑張ってほしい記事

昨年プリンス・バスターが亡くなった時に何の記事もなかった TAP the POP でも最近ようやく彼に関する記述が見られるようになってきて嬉しいところだが、もう少し頑張って書いてほしい。
 
www.tapthepop.net
 
ここでスペシャルズの Gangsters を上げるのならオリジナルであるバスターの Alcapone も是非とも一緒に上げてほしいところだし、バスターの Enjoy Yourself を上げるのならスペシャルズの Enjoy Yourself も紹介してほしい。*1 というか、そうでなかったらほとんど意味がない。

バスターの影響を受けた、どころの話ではなく、スペシャルズはその他にもバスターの Too Hot や Judge Dread なんかもアレンジしてカバーしている。*2


次はジェリー・ダマーズとネルソン・マンデラの話あたりを書いてほしい。

www.theguardian.com
 
www.bbc.com
しかしジェリー・ダマーズ、いまだに前歯入れてないのか。

 
あとジャマイカとイギリスの音楽の関係だったらアイランド・レコードとクリス・ブラックウェルの話もまた別に書いてくれると嬉しい。
 
 
  
tyurico.hatenablog.com
 
tyurico.hatenablog.com
 

*1:たぶん一番の元はガイ・ロンバード楽団による Enjoy Yourself, It's Later Than You Think。

*2:Monkey Man はメイタルズのカバーで、A Message to You Rudy はダンディ・リヴィングストンのカバー

欧米人が芸者の真似事をするのは失礼なことか

雑誌 VOGUE で欧米人のモデルが芸者の真似事をしてる写真を載せたら、批判の声が起こって結局モデルが謝罪したんだという。

謝るべきとか私は全く思わないのだが、よく読んでみると彼女は別に日本人に向けて謝罪しているわけではないようだし、怒ってる連中も日本人に謝れと言って怒ってるわけでもないようだ。
それなら誰に向かって謝っているのか何に対して怒りがわいてるのか。理解できない騒ぎだ。
たぶん、お前は正しい理念に反する振舞いをしてるぞといって糾弾し、私は正しい理念に反する振舞いをしてしまいましたといって謝罪しているのだ。何なんだこれは。
 
だいたい謝るにしても、モデルじゃなくて企画した編集部だと思うんだが。
全くどうかしてる。 
 

相手の気持ちになるというのは全くの難事であるが、

相手の立場に立って考えてみることならさほど難しくはない。
 

まあそれで共感したり納得したりするとは限らないが、少なくとも「ああ、あれはこういうことだったのか」ということは後でわかったりはする。