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膨らまない話。

Tyurico's blog

宗教と価値の多様性

多様性を尊重しよう、多様な価値があることを認めよう、っていうのは疑問も許されないような近年の考え方だと思うが、その中に宗教まで含んだ場合はどうだろう。 宗教というものは徹底すればそもそも多様な価値の併存を許さないものだと思われて、もし多様な…

スライ&ロビーのCDレビューみたいなもの。

昨年の11月あたりから聴きはじめたばかりのスライ&ロビーだが、得られる情報がそう多くないのにアルバムの枚数はやたら多いのでどれを買ったらいいのかずいぶんと迷った。スライ&ロビーってレゲエのドラム&ベースのすごいベテランコンビなんだけど自分た…

画家の描いた戦争画、素人の描いた戦争の絵。

絵とかろくに描いたこともない普通の人が自分の見た光景を描いた戦争の絵というのは拙いと言えば全く拙い絵なのだが、見ていて辛い程の何かを強く感じる。 しかしプロの画家が戦争の惨禍を描いた作品からはそこまで強烈に迫ってくるものを感じたことがない。…

「大衆迎合主義」、「ポピュリズム」という言葉

大衆迎合主義、ポピュリズム、ポピュリスト。 これらの言葉を政党や政治家の批判として用いるのは結局、大衆はまともな判断ができない愚かで教導すべき存在だと言っているのと同じだ。実は露骨にバカ扱いしてるな。

最近初めて知って驚いた、マルコムX大学。

黒人大学と黒人ミュージシャンの関連でキャブ・キャロウェイのウィキの記事を読んでいた。 まず意外だったのは、彼はけっこう裕福な家庭の生まれで両親ともに黒人大学の出身、お父さんは弁護士でお母さんは学校の先生だったという記述。 キャブ・キャロウェ…

最近初めて知って驚いた、黒人大学。

黒人大学、現在では Historically black colleges and universities と総称されるらしい。*1 60年代中頃のソウルのライナーノーツを読んでいたら、「これは作曲者が大学生のときに作った曲だ」という記述があったので、その頃のアメリカの大学生なら白人なん…

怒りと納得

ひとたび納得がいってしまうと人はもう怒ることができない。だとすれば怒りを抑えるために向けるべきものは、忍耐とか冷静さのようなものではなく偏に歪みのない認識である、ということになるだろう。

命の危険を冒してまで移民が大挙して異国に押し寄せるということは、

「自分の国ではとてもではないが満足に暮していける望みがない、行けるんだったら手を尽くしてなんとしてでも他所の国に行った方がいい」と考えているということだろう。それで、「彼らはそこまで追い込まれているのだ」と考えることもできる。 だからそれに…

ソウルシンガー、ジェイムズ・カーのCDレビューみたいなもの。

いったい誰のためになるのかというやたらとニッチなCDレビューみたいなものを再度。 一からの説明とか無しで、ジェイムズ・カーをある程度知っている人を対象にした記事になります。以後も書き足し書き直しあり。 CD発売年はイギリスでの発売年の方を表…

『相楽総三とその同志』 を読んでいて引いてしまった。

勤王倒幕で働いていたのに偽官軍の汚名を着せられて処刑されてしまった相楽総三たちの冤を雪ぐために長谷川伸が記した史伝『相楽総三とその同志』。 昔から気にはなっていたが、少し前にようやく買って読み出した。 引いたというのは以下の短い記述で、事実…

「多様性を尊重しよう」の厄介さ

「多様性を尊重しよう」と言うのだから当然そこには差異が歴然と存在しているわけだが、じゃあその差異や特徴、独特さ固有性について述べようとすると、「それは差別的行為だ」と言われかねないという厄介さ。

モデルの不快な顔面で視線を奪う広告の手法、

どうも広告業界にはそういう手法やノウハウがあるんじゃないかと前々から思っている。 瞬間的に違和感や不快感を微妙なレベルで与えることによって広告に目を向けさせる手法と言おうか。おそらく中途半端な美男美女が微笑む広告よりずっと効き目があることだ…

トゥーツ&ザ・メイタルズのCDレビューみたいなもの。

一体誰のためになるのかというやたらとニッチな情報になるが、ここ三か月ほどのあいだブログやサイトをいろいろ覗いて調べてCDを買い集めて聴いて、CDのレビューというか紹介をまとめて書いておこうと思うようになった。 けっきょく調べる際に一番お世話…

イエスの劇的な最期と仏陀の平凡な最期と

2ちゃんねるのまとめサイトを見てたら「知らない方が幸せだった雑学」というのがあって、その中に「お釈迦さまが食あたりで亡くなったこと」という書き込みがあって、それに「それじゃただの普通の人じゃん」みたいなレスがあった。 まあそうかもしれない。…

戦争であまり悲惨な体験をせずに済んだ人の話

正月に酒を飲みながら叔父さんと話していて、死んだおじいさんの話になった。 夜更けに二人だけになったこともあってか、普段はしないような話題にも及んだ。 私のおじいさんは兵隊にとられて大陸に渡り、戦後はソビエト軍に捕まって何年か抑留されていた。…

奴らは愚か者であるか、さもなければ邪な者である

「私たちが信じる教えは正しく尊い無上のものである」という信念が揺るぎない強固なものであれば、 当然のこと「こんな素晴らしい教えになぜ奴らは従わないのか」という疑問が生じる。 それに対しては、① 奴らは正しく尊い教えが理解できない愚かで憐れな連…

シュガーヒル・ダウンタウン・オーケストラの何も残さない名盤

シュガーヒル・ダウンタウン・オーケストラという日本のインディーズバンドが大好きで一時期は本当にそればかり聴いていた。ギター、ベース、ドラム、女の子のボーカルの四人組で、軽快なスカ・テイストのバンドと言ったところだろうか。ラジオでたまたま耳…

「私たちの教えこそが本物」という考えのない宗教や信仰はあり得るか

「私たちの教えこそが本物、私たちの教えが正しい」と本気で考えているのであれば、「奴らは間違っている、奴らはわかっていない」という他を否定する判断を避けられない。 当然それで諍いも起こるし果ては殺し合いにもなる。 それなのに「私たちの教えこそ…

たくさんお金を稼ぐということは

「景気が良い」ということの意味は世の中の金の巡りが良いということだろうと前回書いた。それに関係する話で、詰るところ「お金をたくさん動かした人がお金をたくさん稼ぐ」のだろう。良いとか悪いとかは関係なく。 どういう仕事がたくさん稼ぐのか、どうい…

「アウトサイダー・アート」の意味ってわかりにくい。

おそらく、アウトサイダー・アートという言葉の「アウトサイダー」というのは、「一般社会の外側の人たちの」ということではなく、「美術の世界や美術の制度の外側の人たちの」という意味なんだろう。 しかしそうは言ってみても実際のところアウトサイダー・…

歳をとると怒りっぽくなるという話はどういうことか

歳をとって衰えていけば自分の思うに任せぬ物事は増えていく一方であって、 また怒りというものが「こうあるべきだ」という自分の意に沿わない物事に生じるのだとすれば、 歳をとると怒りっぽくなるのは必定であるか。 「ありえへん!」 人は「有るまじき事…

「セカンドマーダー」って言葉はまだ世に無いらしい

むかし神戸で連続児童殺傷事件を起こした少年が二十年近く経って事件に関わる本を出版して再び世を騒がせた。 それで「セカンドマーダー」という言葉が思い浮かんだので検索してみたのだが、ブログとツイッターが二つほど見つかっただけだった。検索の対象期…

「ありえへん!」 人は「有るまじき事」に怒る

芸能人のトークで「いやこないだカクカクシカジカこんな腹立つことがありまして、」みたいに自分の腹が立った体験を話して、 最後に「それって信じられます? ありえへんでしょ!」って感じの話。まず関西弁の間違いがありましたらご容赦ください。 だがこの…

怒りとは

どういう類のものであるにせよ、「我に理あり彼に非あり」というのが怒りだと言えるのではないか。 怒りの根底にあるのはおそらく「私は正しく向こうは間違っている」という断定だ。

どの政党にではなく、パワーバランスに投票したい。

有権者それぞれに10票が与えられる。 で、A党5票、B党3票、C党2票、というように投票、集計される。 消去法でA党かと思いながらバカ勝ちはさせたくない。 どこが勝つかより、力のバランスに注文を出したいのだ。 投票しどころが分からない - 膨らまない…

山岡鉄舟は身長2メートル!? それからウィキペディアの拙い文章について

十年近く前のことだと思うが、森田信吾さんの時代劇マンガを読んでいたら幕末の山岡鉄舟は身長が2メートルあったみたいな記述がさらっと書かれていて驚いた。*1 子母澤寛の幕末物ならけっこう読んでいるのだが、鉄舟がそんな巨漢だったと読んだ記憶がない。…

「人は見かけによらない」と言うことわざの意味。

自明の事柄に関してことわざは要らない。 「人は見かけによらない」とわざわざ忠告する必要があるということは、逆に「ほとんどの場合、人は見かけによって判断して特に問題がない」ということを意味している。

「菊千代」と名乗る不憫さ

映画『七人の侍』の中で三船敏郎演じる「菊千代」だけは本当の侍ではなく、俺は侍だと言い張っているだけの男。おそらくは戦乱で孤児となって己の膂力を頼りに辛くも生き延びてきた百姓の倅で、どこかで手に入れた武家の家系図を開いてそう言い張る。そこに…

なんで裁判員制度はトラウマ生産的な事件ばかりを担当させるのか。

どういう判決が出ようとも後味が悪い事件ばかりなんだが、ほんと嫌がらせでもしたいんだろうか?以下は当のサイトからコピーしたものだけど、どういう理由でこういう類の事件ばかりを対象にするのかという説明が全く書かれてない。(太字で強調しました。) …

エヴァンゲリオン  閉鎖/侵入/拒絶/融合

あるいは、境界/侵入/拒絶/融合。 TV版のエヴァンゲリオンを設定やストーリーの解釈なしで見ると、使徒のサイズでも人間のサイズでも、大体こんな感じの話だと思う。

橋本治さんの「お正月」という素晴らしい文章

昔のお正月は、静かだった。なぜかっていうと、みんな、幸福だったから。幸福だったから、あんまりジタバタする必要がなかった。幸福になるために必要なジタバタは、みんな12月に終わらせてきちゃったから、それでみんな静かに幸福なお正月をやってられた。 …

落合恵子の翻訳の態度が根本的に間違っていることが問題なのであって、誤訳が多いなんてことを問題にしているのではない。

落合恵子の翻訳について私と同様の指摘をされている方がおられたので勝手ながらリンクさせていただきました。 GIFT FROM THE SEA 海からの贈りもの 2013・11・08 - 市居嗣治の「今日のお気に入り」 - My favourite things 少し文章も引用もさせてい…

なぜ彫刻の方が絵画よりも早く写実的な表現に至るのか

絵画での人物表現と、彫塑での人物表現を歴史的に比べてみると、洋の東西を問わず、彫刻や塑像の人物表現の方がより早い時期により高い写実性を実現しているように思われるのだが、立体の方が表現しやすいのだろうか。

ビートたけしとくだらなさ

ビートたけしは面白いことが好きというより、くだらないことが好きなんだと思う。

「どんどん解ってしまう人」と「簡単にそうはいかない人」の隔たり  『橋本治と内田樹』を読んだ

橋本さんと内田さんの対談本を読んでみた。 橋本さんはずいぶん昔から物書きの人で、内田さんはこの頃の人だけど、実は二つしか歳が違わないらしい。内田さんが橋本さんをずいぶん賞賛していることは他の本で知っていたけれど、この対談を読んでみたら、正直…

ヘンリー・ダーガーがよくわからない

以前NHKの『日曜美術館』でも特集されたほどで、ヘンリー・ダーガーという奇人は日本でも既に十分関心と注目を集める存在になっていると言えるだろう。 奇人と評したのは、画家でも作家でもない素人の彼が、数十年もの長い年月にわたって誰に見せる為でも…

悲劇と喜劇の共通構造

人間の目論見、企てが次々と外れていく。 全てが裏目裏目に出てしまう形で展開する。諸々のズレ、取り違えによって話が進んでいく。時間のズレ 場所のズレ 言葉の取り違え 人物の取り違え

『エウレカセブン』 の歌詞の上手さ

FLOWというバンドのDAYSという歌があって、『交響詩篇エウレカセブン』というアニメの主題歌として知っているだけなのだけれど、歌詞のこのくだりは上手いなあと思う。 通い慣れた道 歩み進んでも戻れない 最初の嘘 最後の言葉 「最初の嘘 最後の言葉」直接…

ふたたび、恩地孝四郎の詩について

検索がずいぶんと便利になったのでキーワードを選べばかなりマイナーな事柄も引っ掛かってくる。 こんなことに興味を持っている人は自分以外にいるのかと思われるようなことでも大概は出てくる。 しかし、恩地孝四郎の詩に関心を寄せている人が見つからない…

映画 『ラピュタ』と『未来少年コナン』を23文字にまとめてみた。

滅亡した旧文明の超兵器を復活させる鍵を巡る話。 アニメ版の『ナウシカ』もだいたい同じ。

今どき「世界の大前研一」 と言ってしまう残念なセンス

この頃ずっと「世界の大前研一があなたの英語力を判定する」とかいう広告が追って来る。しかし今どき、「世界の大前研一」ってキャッチフレーズはもはやギャグにしかならないと思う。 けっこうスゴイというかヒドイというか。 世界の山ちゃんイカ姿フライ(5…

ギャグマンガと恐怖マンガの共通性

恐怖マンガ、怪奇マンガの作者が往々にしてギャグマンガの作者でもあるということ。楳図かずお、高橋留美子、藤子不二雄A、ジョージ秋山、つのだじろう、伊藤潤二…… ギャグとホラー。グロテスクという通底。

「極北」という意味がよくわからない言葉

昔、ある新聞の書評欄でこんな文章を目にした。 「現代文学の極北で一人孤独な闘いを続ける女コマンドー赤坂真理。」 全くなんて大げさでくだらない文章なんだという印象が強烈だったので、細部はともかく「極北」と「女コマンドー」に間違いはない筈だ。 評…

「バカ」の本はなぜ売れるのか

「バカ」 の二文字が目に入れば、ある者は 「これはあいつのことだろう」 と思い、またある者は 「まさか俺のことじゃないよな」 と思いそれぞれ手に取る次第で、表題に 「バカ」 と付いた本は売上を伸ばすのだと考えられる。

『はだしのゲン』は何よりまずマンガとして面白かったのだ。

昨年末、作者の中沢啓治さんの訃報が伝えられた。 『はだしのゲン』 を読んだのは小学生の時だったと思う。 あのマンガを少年ジャンプで連載していたというのは今からすると信じ難い事実だが、当時はマンガ雑誌という媒体自体がまだまだ野放し的な状態だった…

俳句とか季語とかは関係ない。  吉田拓郎 『旅の宿』の歌詞について

もう十数年昔の事、ある地方紙のコラムでおおよそ次のような指摘を目にした。「吉田拓郎の『旅の宿』の歌詞から、当時の若者にはまだ俳句を詠むという習慣があったということを知ることができる。」筆者は評論家とか文筆家とかであった筈で、少なくとも読者…

キモ顔のアイキャッチャー。  おそらくは不快感で視線を奪う広告の手法

近年のネット広告では、気持ち悪いというか不愉快な面相をあえて使う手法でもあるのでしょうか。最近目にするようになった「FXで今月こんなに儲けちゃいました」みたいな広告で思い出しました。ロングヘアの若い女性なんですが明らかに変な顔。あるいは変…

『アッパレ!戦国大合戦』の冒頭シーンを考える。あるいは間をつなぐ想像力について。

劇場版『クレヨンしんちゃん』シリーズはもともとファンの間では評価が高かったのですが、2001年に公開された『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』と2002年に公開された『アッパレ!戦国大合戦』の二作でファン以外からも広くそれも熱烈とも言える高い評価を得ま…

池内紀 『恩地孝四郎 一つの伝記』の上滑りな文章

池内紀さんがまとめた恩地孝四郎の評伝が出版されていたことを知り、まず地元の図書館にリクエストして入れてもらって読んでみた。なにせ値段は6,000円を超える。恩地孝四郎の名を知る人も少ないだろう。大正、昭和前期の版画家・洋画家であり本の装丁もし詩…