膨らまない話。

Tyurico's blog

「手塚治虫って実はエログロ作品も描いてるよね」じゃなくて、たぶんエログロは手塚マンガのむしろ本質なのだ。

手塚マンガはむしろエログロの薄暗い部分に一番強い魅力を感じてしまう。
 
と言っても、ああ見えて手塚治虫ってけっこうエログロの異色作問題作も描いてるよね、って話ではなく、「エログロ」と括られることのない普通の作品でもあちこちにエログロの強い力が感じられるように思う。
しかしまた手塚さんにエログロ路線で読者の気を引こうなんて目論見は毛頭なかったとも思う。
つまり、エログロはむしろ手塚マンガの本質的なものなんじゃないか、という見立てなのだが。
 
エログロと言うと誤解を招きそうでなんだが、手塚マンガは愛らしさと惨たらしさが隣り合っている、と言ってみたらどうだろう。
そういうのは人物を描く描線一本にも現れていると思うので、この文章に何か感じた方はマンガを読み返してみてほしい。