映画『イノセンス』では登場人物たちが、古今東西の本からいろいろな言葉を引用しては会話をする。
登場人物たちの知識教養の志向と水準は、大体のところ押井監督自身のそれと重なり合ってしまうだろう。そこから狭さというか閉じた感じを受けて何か苦手だ。何だか押井さんの独白を割りふりにして聞いているような感じで。もちろん押井さんはそんなことは承知の上でやっているのだとは思う。
上の事は具体例の一つでしかないが、結局押井監督の映画がどうも苦手であるのは、何というかその「閉じた感じ」によるようだ。曖昧な言い方で情けないが。
それともう一つ、もう完全に好みの問題だが、押井監督の映画のキャラクタ―はみんな目が死んでいるように見えてこれも苦手だ。