膨らまない話。

Tyurico's blog

ソウルシンガー、ジェイムズ・カーのCDレビューみたいなもの。

いったい誰のためになるのかというやたらとニッチなCDレビューみたいなものを再度。
一からの説明とか無しで、ジェイムズ・カーをある程度知っている人を対象にした記事になります。以後も書き足し書き直しあり。
CD発売年はイギリスでの発売年の方を表記しています。
記事に誤記誤解などありましたらご指摘ください。訂正いたします。



YOU GOT MY MIND MESSED UP 2002年 KENT
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YOU GOT MY MIND MESSED UP
1966年にゴールドワックス・レコードから出されたファーストアルバムにボーナストラック12曲を加えたCD。


1. Pouring Water On A Drowning Man
2. Love Attack   クイントン・クランチの作詞作曲。
3. Coming back to me baby   クイントン・クランチ作詞、ルドルフ・ラッセル作曲。
4. I Don't want to be hurt anymore
5. That's what I want to Know   ジェイムズ・カー作詞、ルーズベルト・ジャミソン作曲。
6. These Ain't Raindrops   クイントン・クランチ作詞作曲。
7. The Dark End Of The Street
8. I'm Going For Myself
9. Lovable Girl
10. Forgetting You
11. She's Better Than You
12. You've Got My Mind Messed Up
  13.からボーナストラック。単なるオマケかと思っていたらこのボーナストラックが予想を大きく超える良いものだった。
13. These Arms Of Mine   オーティス・レディングの代表曲のカバー。
14. You Don't Want Me (second version)   ルーズベルト・ジャミソン作詞作曲。
15. There Goes My Used To Be   ルーズベルト・ジャミソン作詞作曲。
16. A Lucky Loser
17. Dixie Belle
18. Search Your Heart
19. Sock It To Me-Baby!
20. My Adorable One
21. Love Is A Beautiful Thing
22. Life Turned Her That Way (Alt Vocal) (Previously Unissued version)
23. A Losing Game   ジェイムズ・カーが作詞した希少な曲。シングル盤とは別テイク。
24. What Can I Call My Own
 

解説によく目を通してみると、クイントン・クランチとルーズベルト・ジャミソンがかなり曲を作っていることがわかる。クイントン・クランチはゴールドワックス・レコードの創立者でありそしてオーナー。白人男性。彼自身ミュージシャンでもあり単なるレーベルのオーナーとは違っている。ルーズベルト・ジャミソンは黒人男性でジェイムズ・カーをクイントン・クランチに紹介して音楽の業界に導いた人。そして二人とも、世話が焼けるジェイムズ・カーをこの後長年にわたってフォローし続けた人たちである。



A MAN NEEDS A WOMAN 2003年 KENT
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A MAN NEEDS A WOMAN
ゴールドワックス・レコードから出されたセカンドアルバムにボーナストラック13曲を加えたCD。


1. A Man Needs A Woman
2. Stronger Than Love
3. More Love
4. You Didn't Know It But You Had Me
5. A Woman Is A Man's Best Friend   クイントン・クランチ作詞、ルドルフ・ラッセル作曲。
6. I'm A Fool For You -with BETTY HARRIS
7. Life Turned Her That Way
8. Gonna Send You Back To Georgia
9. The Dark End Of The Street
10. I Sowed Love And Reaped A Headache
11. You've Got My Mind Messed Up
  12.からボーナストラック。これも良い曲が多い。
12. A Losing Game
13. A Message To Young Lovers   クイントン・クランチ作詞、ルドルフ・ラッセル作曲。
14. Let It Happen
15. You Gotta Have Soul
16. You Hurt Me So Good
17. I Can't Turn You loose   オーティス・レディングの曲のカバー
18. Let's Face Facts
19. Who's Been Warming My Oven
20. Please Your Woman
21. Your Love Made A U-Turn
22. The Liftime Of A Man
23. Tell Me My Lying Eyes Are Wrong
24. Ring Of Fire  
  カントリーのジョニー・キャッシュの曲のカバー。原曲とは大きく違った重厚なアレンジを歌い上げてラストの曲にふさわしい。
 

Ring Of Fire

 

これを書いていて初めて気がついたことだが、作曲者のルドルフ・ラッセルというのはおそらくゴールドワックス・レコードの共同創立者でありもう一人のオーナーであるルドルフ・ラッセルその人なのだろう。彼に関する記述は全く少ないもので、それらは大方、ルドルフ・ラッセルが資金を出してクイントン・クランチがレーベルを立ち上げたという式の説明であったため、ルドルフ・ラッセルは専ら出資と経営を担当したビジネスマンで音楽の方には関わっておらず特に注目すべきこともないだろうと判断していたが、こうなるとそれは見直す必要があるかもしれない。




COMPLETE GOLDWAX SINGLES 2001年 KENT
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COMPLETE GOLDWAX SINGLES
ゴールドワックス・レコード時代に出されたシングル全14枚、A面B面の28曲全てを収録したアルバム。
上記の二枚のアルバムに収録されていない曲は太字で表記してあります。


1.The Dark End Of The Street
2.These Ain't Raindrops
3.A Man Needs A Woman
4.Life Turned Her That Way
5.Freedom Train
6.Pouring Water On A Drowning Man
7.Everybody Needs Somebody
8.That's The Way Love Turned Out For Me
9.To Love Somebody  1969年、GOLDWAXで最後にレコーディングした曲。ビージーズの67年の曲をカバーしたもの。
10.You've Got My Mind Messed Up
11.I'm A Fool For You
12.A Losing Game
13.Stronger Than Love
14.Lovable Girl
15.Forgetting You
16.Love Attack
17.She's Better Than You
18.Coming Back To Me Baby
19.That's What I Want To Know
20.Talk, Talk
21.I Can't Make It
22.Only Fools Run Away
23.You Don't Want Me
24.Lover's Competition   クイントン・クランチ作詞、ルドルフ・ラッセル作曲。
25.Row, Row Your Boat
26.Gonna Send You Back To Georgia
27.Let It Happen
28.A Message To Young Lovers




MY SOUL IS SATISFIED 2004年 KENT
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MY SOUL IS
KENTが最後に出したジェイムズ・カーのアルバム。サブタイトルは The Rest Of James Carr。つまり彼の「拾遺曲集」と言えるCD。初期1960年代から最晩年の2000年の録音までにわたっていて、また71年にアトランティック・レコードからリリースされた Hold On をはじめとしてこれまで聴くことが難しかった曲も多く収録されている。
 
かつてジェイムズ・カーのことを調べようと思ってブログなどをいろいろと読んでいると、90年代に復帰したジェイムズ・カーは衰えていてもう全盛期の輝きはなかったという評価がけっこう見られた。そうなのかと悲しい気持ちになった。
しかしこのアルバムを聴いた今となってはそういう評価には部分的にしか同意し得ない。コンディションが整っていたときの彼の歌はやはり本当に素晴らしいのだ。
このアルバムのラスト3曲は1994年に収録されたものだが、声の力強さ、伸び、張り、衰えなど微塵も感じさせない素晴らしいボーカルだったので全く驚かされた。ジェイムズ・カーは70年代で終わっていたという認識の人たちに是非この3曲を聴いてほしいと思う。
残念ながら1997年に彼は肺癌と診断されて肺の片方を切除され、その後も治療が続けられたのだが2001年が明けて間もなく亡くなってしまった。だから1997年以降の録音が劣ったものであってもそれはもう当然のことで致し方ない。しかし彼の声と歌唱が文字通り他に比べようもないほどのものであったのは間違いないことで、病に冒されることがなかったなら21世紀になってからの華々しい復活だって有り得たと思っている。

 
1. Pouring Water On A Drowning Man (Version 2)
 エルヴィス・コステロはアルバム Kojak Variety でこちらのバージョンをカバーしている。イントロのギターが全く同じ。
2. Love Attack (Version 2)
3. What The World Needs Now Is Love (Complete Version)
4. She's Better Than You (Version 2)
5. I Cant Help Myself (Sugar Pie, Honey Bunch) - James Carr & Barbara Perry
6. Woman Is A Man's Best Friend (Alt Mix With Extra Horns And Alternate B/Vox)
7. A Losing Game (Alt Vocal #2)
8. Row, Row Your Boat   シングル盤とは別テイク。
9. Hold On   1971年に唯一リリースされた名曲と言われるシングル。
10. I'll Put It To You  9.のB面収録曲。
11. Let Me Be Right (I Don't Want To Be Wrong)  1977年シングル。
12. Bring Her Back  11.のB面収録曲。
13. Hit And Run
14. A Womans Got The Power
15. Hungry For Your Love
16. Its Sweet On The Backstreet
17. The Dark End Of The Street (2000 Version)
 この曲はさすがに衰えを感じるが、2000年であればもう死の前年であって無理もない。
18. Gonna Marry My Mother In Law
19. Thats When The Blues Began
20. Try My Love
21. Jordan River
  21.~23.は彼が少年時代に属していたゴスペル・グループ The Jubilee Hummingbirds とのセッション。
22. He'll Be There
23. My Soul Is Satisfied
  ジェイムズ・カーの真骨頂と言うべき本当に素晴らしいボーカル。彼の曲を5曲選べと言われたら間違いなくこれを入れる。
 

POURING WATER ON A DRAWNING MAN (Version 2)/JAMES CARR

JAMES CARR - I'LL PUT IT ON YOU( ATLANTIC 45-2803 ) JOHN MANSHIP AUCTION



Guilty of Serving God 1995年 ACE
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Guilty of Serving God
これはジェイムズ・カーのアルバムではないが上げておく。
ゴスペルグループ The Jubilee Hummingbirds のアルバムにゲスト参加したもの。クイントン・クランチがプロデューサーを務めている。
多くのソウルシンガーがそうであるように、ジェイムズ・カーもゴスペルがそのルーツにある。解説によれば、彼はソウルシンガーとしてデビューした後もかつて所属していたゴスペルグループとずっと繋がりを保っていて、1994年、The Jubilee Hummingbirds が新しいアルバムを作る際にクイントン・クランチを紹介してほしいと頼まれのだという。その流れで彼も参加することになった。
これも良いアルバムなのだが、残念ながらカーが参加している曲は、アルバム My Soul Is Satisfied にも収録されている3曲のみでその他にはなかった。
 

HE'LL BE THERE aka YOU'GOT A FRIEND /THE JUBILEE HUMMINGBIRDS (vocal JAMES CARR)


MY SOUL IS SATISFIED /THE JUBILEE HUMMINGBIRDS (vocal JAMES CARR)


 
Take Me To The Limit 1991年 GOLDWAX
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クイントン・クランチが(おそらくジェイムズ・カーの再起のために)再び興したゴールドワックス・レコードから出されたアルバム。
60年代に比べたら劣るに違いないが、痛々しいと悲しいとかそんなことはない。失望するのを恐れて買ってから聴くのを長くためらっていたがこれはこれでそれほど悪くないと思う。
どうもジャケットは二通りあるみたいで、私が持っているのは彼の顔が大写しになっているもの。