膨らまない話。

Tyurico's blog

コレクターの心理というのは恐ろしい

ピーター・バラカンさんの「ウィークエンドサンシャイン」と、ゴンチチさんの「世界の快適音楽セレクション」と、山下達郎さんの「サンデー・ソングブック」の三つの音楽番組を録音しといては聴いている。
達郎さんの「サンデー・ソングブック」は昨年25周年を迎えたそうで、記念の特集雑誌が先ごろ出たので買ってみて読んでいると、こんな逸話が出てきた。
 

あれは15年くらい前だったかな。かなりレアな曲のリクエストをいただいて、そのレコードを友達の友達のコレクターが持っているという噂を聞いて、盤を貸してもらえないかと打診したら「嫌だ」と言うんですよ。理由は「公共の電波になんぞ乗っけたくない。聴けるのは、俺だけだ」と。世の中で、完全な形を知っているのは自分だけだと。コレクターってそういう人種なんです。そういう人は、例えば誰かにコピーして渡す時なんかも、わざと頭を欠けさせて録音したりするんですよ。普通では信じられないと思うけど、いわゆるオタクというのは、資本主義の宿痾だから、曲の情報などを公にしてしまう『サンソン』に対して敵意を持っている人もいるんですよね。(笑)。

 
昔何かの本で、ある古書のコレクターが非常にレアな念願の古書を手に入れた、手に入れたそのコレクターが何を考えたかというと、自分の手元にある一冊だけを残して世にある同じ古書を全て焼き払ってしまいたい、そう考えたというような話があったのを思い出した。
 
コレクターというのは恐ろしい考え方をするものだ。 



BRUTUS(ブルータス) 2018年2/15号No.863[山下達郎のBrutus Songbook]

BRUTUS(ブルータス) 2018年2/15号No.863[山下達郎のBrutus Songbook]

よく売れてるらしい。実際、読みごたえのある良い本です。(雑誌ですが)