膨らまない話。

Tyurico's blog

なぜ彫刻の方が絵画よりも早く写実的な表現に至るのか

 
絵画での人物表現と彫塑での人物表現を歴史的に比べてみると、洋の東西を問わず、彫刻や塑像の人物表現の方がより早い時期により高い写実性を実現していると言えるだろうが、立体の方が表現しやすいのだろうか。
 
写実的描写というと西欧美術が得意で、日本なんかはそっちがまるで発達しなかった感じを受けるが、日本だって仏像とか立体物では高度な写実性をもった作品が古くから見られるし、西洋もまず優れた写実的な立体作品が出てきて、それからだいぶ後になって絵画の写実的な優品が出てくる。ギリシャ、ローマを考えれば軽く千年以上の開きがある。 
 
古代エジプトの遺物を見ても、壁画はそうではないが、彫塑の方では写実性の高い人物表現があってびっくりする。
また中国の兵馬俑というのも優れて写実的であるが、絵画においてはそうではない。
  
あるいは逆に、絵画の人物表現では高い様式性を実現しているのに、彫塑の人物表現では様式性がむしろ容易でないのはなぜか、と見方を変えた方が考えやすいだろうか。 
というか、そもそも絵画は様式性を得やすい表現分野だということなのか。
 
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