膨らまない話。

Tyurico's blog

五輪エンブレムを擁護するデザイナーの言葉が説得力を欠くと感じる二三の点

「コンセプトが異なっていれば結果として表現された形が類似していても別の作品だと考えるのが現代のデザイン界のコンセンサスです、だがそれが一般の人には理解されていない。」といった論旨でこのデザイナーの方は擁護しているのだけれど、これは全く説得力が足りない擁護だと思う。*1
 
以下の点で納得できない。

① 訴えているのは一般の人間ではなくデザイナー。つまり同業者が納得していないわけだが、その点に全く触れていない。*2
 
② コンセプトが異なっていても結果として偶然デザインがよく似てしまった過去の事例を一つも挙げていない。論より証拠。*3
 
③ コンセプトが違うのに結果のデザインが似たようなものになってしまうのだったら、そもそもコンセプトそのものに大した意味がないのでは?

せめて①、②をふまえた上で論じてくれればと思う。
 


言葉を並べて説得するのではなく、目に見えるカタチで素人を納得させるのがデザイナーの仕事ではないのか。
「それも素人考えです」と言い出すかもしれないが、言葉の説明が無いと機能しないデザインってそれもうデザインじゃないだろ。
 
 
 
bylines.news.yahoo.co.jp
 
 

*1:どれだけ丁寧に語ろうとも根本にあるのは「素人はデザインがわかってない」という考えだからこういう擁護の仕方で一般の理解を得るのは難しいと思う。悪ければむしろ火に油。狭い社会の常識は一般ではむしろ非常識と考えることもできる。

*2:であれば同業者も共有していない「コンセンサス」ということになりはしないか。それを素人にどうせよと。

*3:コンセンサスが形成されるまでには「似てる似てない」が問題視された事例が当然のこと一つならずあるだろうが、そういう具体的な話を全く述べていない。