膨らまない話。

Tyurico's blog

戦争であまり悲惨な体験をせずに済んだ人の話

 
正月に酒を飲みながらおじさんと話していて、死んだお爺さんの話になった。
夜更けに二人だけになったこともあってか、普段はしないような話題にも及んだ。
 
私のお爺さんは兵隊にとられて大陸に渡り、戦後はソビエト軍に捕まって何年か抑留されていた。そのことはまだお爺さんが生きていた時におじいさん本人の口から聞いたことがある。意外だったのは、お爺さんが収容所の生活をごく平然と語っていたことで、死が隣り合わせの極寒や飢餓や重労働というようなつらい話を全くしなかった。

その話を聞いた時分は抑留といえばシベリアだとばかり思っていたのだが、その後、ソビエト軍の捕虜となった日本兵が全員シベリアに送られたわけではなくその他の収容所にも送られていたことを知った。
お爺さんはシベリアほど過酷ではない収容所にいたのだろう。残念だが、どの辺りにいたのかと聞く考えは当時なかった。

今回おじさんと話していて、村に帰ってきた時お爺さんは血色も良くて痩せていなかったという話と、抑留中に池だか川だかで魚をトラックの荷台に積むほどたくさん獲ったというような話を初めて聞いた。
 

戦争であまり悲惨な体験をせずに済んだ人の話というのは取材や記録の対象にはまずならない。だから広く知られることもない。しかし、私のお爺さんと似たような体験の人も結構いるのではないかと思っている。
語られることのない戦争体験 
 
 
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