膨らまない話。

Tyurico's blog

「ピカイチの物」じゃなく「ちゃんとした物」を選ぶ。  私が『通販生活』を買わなくなった理由

以前は『通販生活』を定期購読してて別冊の『ピカイチ事典』が出るのも楽しみで、実際に買い物もしていた。
しかし次第に、「そりゃまあ確かにいい物なんだろうけど、そこまでの高性能、高品質とかは自分には要らないんだよな」、「別にピカイチの逸品でなくてもいいんだけど」と思うようになっていって興味を失い、購読を止めてしまった。
 
結局、「ピカイチの逸品」とか私には特に必要がない物で、私は「自分のニーズに合ったちゃんとした物」であれば良かったのだ。
だからいろいろな情報が簡単に得られる今では、自分が求めている点に合っている物を探して選んで買っている。
 
たぶん『通販生活』は、「ちょっと値が張っても本当にいい物を選んで長く使うのがエコで丁寧な暮らし方」というような考え方が根本にあるんだと思うが、「本当にいいものを買って大事に長く使う」というのがむしろ物欲、所有欲の言い訳になってしまって結果大して必要でもない無駄な買い物をさせる刺激になっている面も否定できないと思うし、だいたい「本当にいいもの」だって別にそのジャンルで一点だけに限定されるわけでもないだろう。
私はまず「ちゃんとした物」であればいい。「ちゃんとした物」を大事に長く使いたい。それで「ちゃんとした物」をきちんと作っているところであれば応援したい。
「ピカイチ」とか言って『通販生活』で取り上げられるようなことはないけど、「ちゃんとした物をきちんと作ってる」ところは結構あるのだ。
 
ピカイチの逸品を選ぶのが賢いベストの選択、こういう考え方も実はエコとかよりもむしろ反対にバブル時代のセンスだよなと思ったりもする。
 
 
でもこんな記事を書くと困ったことに『通販生活』の広告が出るようになってしまうんだが。
 
www.furaipan.com
通販生活』が紹介しないロングセラーの良品、文化鍋。
 

ソングライターとしてのモーズ・アリソン

モーズ・アリソンは2016年に89歳で死去したアメリカ人のピアニストでシンガーでソングライター。キャリアはとても長い。ジャンルは定め難くて何と言ったらいいか、ブルーズっぽいジャズというのか。

彼はヒット曲だとか有名なアルバムとかがあるわけではないし、知名度もあまり高くないし熱狂的なファンがいるタイプでもないし、だいたい歌だって上手い方ではない、そういうミュージシャンなのだが、彼よりもずっと有名なミュージシャンたちによって曲が度々カバーされるようなミュージシャンで、正に「ミュージシャンズ・ミュージシャン」という言葉がぴったりのミュージシャンだと言える。
 
彼のピアノと熱を入れない淡々とした独特のボーカルについて語っている文章はブログやアマゾンレビューで見かけるのだが、しかし彼がとても良い歌を作曲しているということはほとんど書かれていないと思う。なのでそれを書いておきたい。
 

www.youtube.com
 
 

Mose Allison // Everybody's Cryin' Mercy
この曲はボニー・レイットエルヴィス・コステロがカバーしている。
 

I'm Not Talkin'

I'm Not Talkin'

Amazon
ボーカル曲だけを集めたコンピレーションアルバム。上記の2曲も収録。

 

Mose Allison - Was
この曲もエルヴィス・コステロがカバーしたら凄くはまると思う。
モーズ・アリソンは歌詞の評価も高いので調べて読んでみたいと思っている。
 

My Backyard

My Backyard

Amazon
上の Was を収録しているアルバム。プロデューサーはベン・シドランだった。オリジナルアルバムでこれも全てボーカル曲。
 
 これはモーズ・アリソンの歌をヴァン・モリソンジョージィ・フェイムベン・シドランが歌うという、カバーアルバムというかトリビュートアルバム。モーズ・アリソン本人も参加している。ベン・シドランが歌う If You Live と、ジョージィ・フェイムが歌う Was が特に良かった。
このアルバムはジャケットデザインが良いし、ライナーに歌詞が載っていて助かる。
 
上のアルバムではこの曲も良い。

Van Morrison, Mose Allison, Georgie Fame, Ben Sidran - Benediction (Thank God for self love)
 
 
Kojak Variety

Kojak Variety

Amazon
これはエルヴィス・コステロコジャック・ヴァラエティ。このカバーアルバムによってモーズ・アリソンを知ることができた。
 
 
www.bluesaccess.com
 

たけのこは先に皮をむいて茹でてしまう

筍の茹で方というと、皮が付いたまま米ぬかと鷹の爪を入れて茹でてそれをそのまま冷ます、というのが定法であるのだが、別に料理屋じゃないし、この頃はもうすっかり端折ったやり方をしている。
 
何年か前、もらったたけのこが大きくてそのままでは鍋に入らなかったので、仕方なく先に皮を全部取ってから茹でたことがあった。筍というものは半分以上が皮だ。

ところがそういう端折った仕方で茹でても特に悪い影響を感じることはなかったので、それ以後は先に皮を取って茹でるようになった。また冷ますのに時間が長くかかって面倒なので、茹で上がったらすぐに流水で洗ってしまう。
大きな鍋でなくてもできるし、茹で具合の確認もしやすいし、短時間で済むし、何よりびしょ濡れでぬかまみれの大量の皮が出ないのでゴミの始末が楽なのが良い。
 
またそれで疑問に思ったのだが、そもそもあんなゴワゴワした硬い皮と一緒に長いこと茹でていたら皮からアクが煮出されてそれが逆に実の方に染みてしまったりしないのか、ということ。*1

二つの仕方でやってみて、先に皮を剥いて茹でても特にデメリットは感じなかったし、逆に皮を付けたまま茹でることのメリットというのも特に感じられなかった。
昔からのやり方というものにはやはり理があることも多いが、しかし「皮を剥いて茹でるとこうなっちゃうから駄目だよ」ということを実際に比較した上で説明しているものは調べてみても見つからない。

鷹の爪ももう入れないけど、米ぬかはまた別に考えがあって一応まだ入れてます。
 

*1:もし皮からアクが出でそれが分解とかされないままの状態なんだとしたら、茹で湯に浸けたまま自然に冷ますというのは増々逆効果になると思う。

「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」って単なるコミックソングかと思ってたら、

これが予想外でなかなかの物。
この間、山下達郎さんのラジオでかかっていて初めてちゃんと曲を聴いた。

まあ芸名からして「左とん平」なんてふざけた名前だし、実際ナンセンスな歌詞にすぐに笑ってしまって、しかし聴いていくうちに、とん平さんのシャウトはかっこいいし演奏はしっかりしてるし、実は歌詞もなんだか深いところあるなと感じてしまったのだった。


Hey You Blues - Tonpei Hidari
でもこれ、ブルースじゃなくてソウルだ。とん平のヘイ・ユウ・ソウル。
「すりこぎ」なんて歌詞なかなか普通書けない。作詞を担当したのは郷伍郎


こういうたわいもない戯作のような歌でいて思いの外歌詞が鋭いって、あるんだよな。
これは更に古いところで「有難や節」。

有難や節 - 守屋浩
 

ほめるならほめる。けなすならけなす。2点セットでやらない。

お前はダメだな、それに比べてあいつは大したもんだ。
この作品は凄いよ、それに対してあれのレベルの低いこと。
 
Aをけなし、返す手でBをほめる。またその逆のパターン。
こういうのは気をつけたい。