膨らまない話。

Tyurico's blog

2013-01-01から1年間の記事一覧

茶の湯の美意識のあやうさ

茶の湯の美意識というのは、ふつうなら目を留めないようなところに新たに美を見出して楽しむというところが大きいので、 逆にそれが悪くはたらいてしまうと、 「わからないかなあ、そこが素晴らしいんじゃないですか。」 っていう美意識の強要、勘違いな珍重…

技術が2倍に進歩しても被害は1/2にならないということ

仮に従来と同じ重量で2倍の強度の素材が得られても、 結局それを1/2の厚さで使用したり、 2倍のスケールの物を造ったりするのが大方なので、 事故の際の被害は必ずしも1/2とはならない。 なかなか。

ディレクターズ・カット版の映画に拍子抜けすること。

『ゾンビ』シリーズを一作も観てないのになんですが、こちらの記事を読んでいて頷きました。 好みの問題ですけどね - 魂の売れ残り 映画の完全版とかディレクターズ・カット版というのは、資金不足、上映時間の超過、技術的な困難、映画会社の意向など諸々の…

ことさらに武士道などと言い出したのは

彼らがあらためて武士道というようなことを考え始めたというのは、 泰平の世で侍たちの行うべきことはいよいよ無くなり、それほどまでに自分たちが何者であるかがわからなくなってしまったということかと思う。

「大阪のオバちゃん」というキャラの自認

TVに映るようないわゆる大阪のオバちゃんって、「大阪のオバちゃん」てキャラを幾分か自分で意識してるところがあるんだろうか。なんだか自画像の輪郭線を何度も重ね描きしてニュアンスのない極太の一本線にしてるみたいに思えるんだが。喩えの方がかえっ…

洗練と衰弱は

洗練と衰弱はおそらく地続きだ。 いっそう精緻になり、しかし力強さは失われる。

信用より何より、猪瀬さんはあれだ、

猪瀬さんは今回の件で信用を失ってしまったとかよりもむしろ、 完全に笑い者になってしまったことの方が傷がでかい気がする。

「とにかく解約したい」というカスタマーサポートに笑った

用があってauのカスタマーサポートページを見てたら笑ってしまった。とにかく解約したい | 解約をご検討されているお客さまへ | au 「とにかく解約したい」って、 なんかこう今までにない姿勢を見た気がします。 auに限らず、カスタマーサポートのページって…

「夜の新橋のサラリーマンたる者は」という自覚

夜の新橋のサラリーマンにTVカメラを向けると、「夜の新橋のサラリーマンたる者は」という自覚がどこか生まれてきて概ね期待したようなリアクションになってしまうんだろうと思う。

落合恵子の翻訳の態度が根本的に間違っていることが問題なのであって、誤訳が多いなんてことを問題にしているのではない。

このブログとは別に、落合恵子の『海からの贈りもの』の翻訳を批判するためだけのブログを作ってから数年が経って、近頃、落合の翻訳について私と同様の指摘をされている方を見つけた。 GIFT FROM THE SEA 海からの贈りもの 2013・11・08 - 「今日の…

堅い種子のような言葉

柔らかくたちどころに甘い果実のような言葉もあれば、 芽吹くに適した土を長く待つ堅い種子のような言葉もあるだろう。 時には何百年と。

かつて新幹線が東京―大阪間を結んで、

それで親の臨終にどうにか間に合ったというようなのは確かにありがたい恩恵であるが、泊まりの出張で羽を伸ばすこともできたのが日帰りで片付けなきゃならなくなってしまったなんてのは、良いんだか悪いんだか。

「は」 と 「が」 の助詞の使い分け

主語なしで書いた場合。A「~を信じることはできない。」 B「~を信じることができない。」 Aの書き方だと一般性を帯びているように感じ、Bの書き方だと、「私は~」という感じになるような気がする。

なぜ彫刻の方が絵画よりも早く写実的な表現に至るのか

絵画での人物表現と、彫塑での人物表現を歴史的に比べてみると、洋の東西を問わず、彫刻や塑像の人物表現の方がより早い時期により高い写実性を実現しているように思われるのだが、立体の方が表現しやすいのだろうか。

映画 『陰陽師』と『帝都物語』を26文字にまとめてみた。

遠い昔に封印された強大な怨霊を都に解き放とうとする者が暗躍を始めた。

近頃の大前研一

また新しいウェブ広告が。 「世界の大前研一」 というギャグに近い謳い文句が今度は 「世界的ビジネスコンサルタント大前研一」 に変わってた。 前進なんだか後退なんだか。 Tyurico's blog今度の大前研一は笑顔で攻める - Tyurico's blog

お前は俺の怒りをわかってない、という怒りは既にもう別の怒り。

人を怒っているとき、何を怒られているのか相手が今一つわかってないようだと一層怒りが強まるものだが、その怒りは元の怒りとはもう別物なわけで、それを上乗せしないようにした方がややこしくならないと思う。

『パシフィック・リム』を観た (ネタバレ有り)

観に出かけてきました。 なんせ地元で上映してないので。 巨大怪獣と巨大ロボットが殴りあいをする映画を大金を使って本気で作ったんですから、かつて怪獣少年だった者としてはツッコミどころがいかに有ろうが気にしません。 ノーガード、無抵抗で見入ってき…

ビートたけしとくだらなさ

ビートたけしは面白いことが好きというより、くだらないことが好きなんだと思う。

「どんどん解ってしまう人」と「簡単にそうはいかない人」の違い 『橋本治と内田樹』を読んだ

読んでみて内田さんは橋本さんの本を本当にちゃんと読んでるんだろうかと思ってしまった。橋本さんはもうずいぶん昔から物書きの人で、内田さんはまあこの頃の人なんだけど、実は二つしか歳が違わないらしい。 それでこの本は昔からの橋本ファンを自認する内…

ヘンリー・ダーガーの絵が怖い

以前NHKの『日曜美術館』でも特集されたほどで、ヘンリー・ダーガーという奇人は日本でも既に十分関心と注目を集める存在になっていると言えるだろう。 「奇人」と評したのは、画家でも作家でもない全くの素人の彼が、数十年もの長い年月にわたって誰に見…

映画 『ラストサムライ』と『ダンス・ウィズ・ウルブス』を25文字にまとめてみた。

西洋が否定した 「野蛮」 の中に本当の気高さがあった。 ラスト サムライ [Blu-ray]発売日: 2010/04/21メディア: Blu-rayダンス・ウィズ・ウルブズ 通常版 [DVD]発売日: 2003/08/22メディア: DVD tyurico.hatenablog.com tyurico.hatenablog.com tyurico.hat…

整体とスピリチュアル??  とにかく整体師が人生のメンターというポジションを得るのはどうかと思う。

整体の人がスピリチュアルな人だったりする傾向が強いのは一体どういうわけなんだろう。 ふとそう思って検索したら 「スピリチュアル整体」っていうような用語をもう当然のこと自明のことのようにあちこちの開業者が書いていて、ああ現在もうそういう状態に…

「犯罪大国」って言い方おかしくないか

こういう言い方を聞く度に思う。 犯罪が非常に多い国ってことなんだけど、でも「経済大国」とか「軍事大国」という場合は、その面における強国、という意味なわけだし。 問題著しい困ったことなのに「大国」って言うのは何なんだか。 「肥満大国」とか「貧困…

悲劇と喜劇の共通構造はたぶんこういうこと

目論見、企て、計らいが皆次々と外れていく。 全てが裏目裏目に出てしまう形で展開する。諸々のズレ、取り違えによって話が進んでいく。時間のズレ 場所のズレ 言葉の取り違え 人物の取り違え

はっぴいえんどの『春よ来い』の歌詞は少しヘンだ

www.youtube.com はっぴいえんどは大好きなバンドで「春よ来い」も好きな曲なのだが、歌詞の冒頭はやっぱりヘンだと思って聞くたびに雑念が湧いてしまう。 お正月と云えば 炬燵を囲んで お雑煮を食べながら 歌留多をしていた ものです 雑煮を食べながらコタ…

「これが正しい」と言うことは結局「他は認めない」と言うことか

少し前のこと、筆記具の持ち方を調べたことがある。 私は筆圧が強いようで書いていて手が痛くなるし何よりそもそも綺麗に書けないし、それで持ち方を自分なりに模索しているうちに調べるようにもなった。「ペンの持ち方」、「鉛筆の持ち方」 とかで検索して…

「のだめ」と次郎長

幕末明治の侠客 清水の次郎長。 本名、山本長五郎。 「清水の~」と生まれ在所の名で呼ばれるのはレオナルド・ダ・ヴィンチと同じだが、 近所の子供の名前と紛らわしいので「次郎八の息子の長五郎」で「次郎長」となったなんてのは「のだめ」みたいだ。

『エウレカセブン』 の歌詞の上手さ

FLOWというバンドのDAYSという歌があって、『交響詩篇エウレカセブン』というアニメの主題歌として知っているだけなのだけれど、歌詞のこのくだりは上手いなあと思う。 通い慣れた道 歩み進んでも戻れない 最初の嘘 最後の言葉 「最初の嘘 最後の言葉」直接…

ふたたび、恩地孝四郎の詩について

検索がずいぶんと便利になったのでキーワードを選べばかなりマイナーな事柄も引っ掛かってくる。 こんなことに興味を持っている人は自分以外にいるのかと思われるようなことでも大概は出てくる。 しかし、恩地孝四郎の詩に関心を寄せている人が見つからない…