ハマスが無差別に容赦なく行った非道は結局のところ「奴らを殺せ」という思考によって駆動されている。
そしてその非道がもたらした悲嘆と怒りと憎悪によって今度はイスラエルが「奴らを殺せ」の思考に駆動される。今まではそうでなかった人たちも「奴らを殺せ」に多く引ずり込まれただろう。それだけに止まらず「奴ら」＝「全てのパレスチナ人」と見なす人すら増やしただろう。
歴史を見ればそのような事例はそれこそいくらでも集めることができるだろうが、今回はそれをリアルタイム、現場中継のような形で、「奴らを殺せ」の思考によって人間はどれほど残虐な行為がやれてしまうかということを見せつけられた。
彼らはその非道を隠そうともせずそれどころか敢えて世界に見せつけた。
当たり前のことに見えるだろうが、「奴らを殺せ」という思考を導くのは「我ら／奴ら」と隔てる思考、「奴らと我々は決定的に相容れない」という思考だ。
「奴ら」とは誰か。「奴ら」とは「我々とは違う存在」のことだ。
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