膨らまない話。

Tyurico's blog

ソングライターとしてのモーズ・アリソン

モーズ・アリソンは2016年に89歳で死去したアメリカ人のピアニストでシンガーでソングライター。キャリアはとても長い。ジャンルは定め難くて何と言ったらいいか、ブルーズっぽいジャズというのか。

彼はヒット曲だとか有名なアルバムとかがあるわけではないし、知名度もあまり高くないし熱狂的なファンがいるタイプでもないし、だいたい歌だって上手い方ではない、そういうミュージシャンなのだが、彼よりもずっと有名なミュージシャンたちによって曲が度々カバーされるようなミュージシャンで、正に「ミュージシャンズ・ミュージシャン」という言葉がぴったりのミュージシャンだと言える。
 
彼のピアノと熱を入れない淡々とした独特のボーカルについて語っている文章はブログやアマゾンレビューで見かけるのだが、しかし彼がとても良い歌を作曲しているということはほとんど書かれていないと思う。なのでそれを書いておきたい。
 

www.youtube.com
 
 

Mose Allison // Everybody's Cryin' Mercy
この曲はボニー・レイットエルヴィス・コステロがカバーしている。
 

I'm Not Talkin'

I'm Not Talkin'

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ボーカル曲だけを集めたコンピレーションアルバム。上記の2曲も収録。

 

Mose Allison - Was
この曲もエルヴィス・コステロがカバーしたら凄くはまると思う。
モーズ・アリソンは歌詞の評価も高いので調べて読んでみたいと思っている。
 

My Backyard

My Backyard

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上の Was を収録しているアルバム。プロデューサーはベン・シドランだった。オリジナルアルバムでこれも全てボーカル曲。
 
 これはモーズ・アリソンの歌をヴァン・モリソンジョージィ・フェイムベン・シドランが歌うという、カバーアルバムというかトリビュートアルバム。モーズ・アリソン本人も参加している。ベン・シドランが歌う If You Live と、ジョージィ・フェイムが歌う Was が特に良かった。
このアルバムはジャケットデザインが良いし、ライナーに歌詞が載っていて助かる。
 
上のアルバムではこの曲も良い。

Van Morrison, Mose Allison, Georgie Fame, Ben Sidran - Benediction (Thank God for self love)
 
 
Kojak Variety

Kojak Variety

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これはエルヴィス・コステロコジャック・ヴァラエティ。このカバーアルバムによってモーズ・アリソンを知ることができた。
 
 
www.bluesaccess.com
 

たけのこは先に皮をむいて茹でてしまう

筍の茹で方というと、皮が付いたまま米ぬかと鷹の爪を入れて茹でてそれをそのまま冷ます、というのが定法であるのだが、別に料理屋じゃないし、この頃はもうすっかり端折ったやり方をしている。
 
何年か前、もらったたけのこが大きくてそのままでは鍋に入らなかったので、仕方なく先に皮を全部取ってから茹でたことがあった。筍というものは半分以上が皮だ。

ところがそういう端折った仕方で茹でても特に悪い影響を感じることはなかったので、それ以後は先に皮を取って茹でるようになった。また冷ますのに時間が長くかかって面倒なので、茹で上がったらすぐに流水で洗ってしまう。
大きな鍋でなくてもできるし、茹で具合の確認もしやすいし、短時間で済むし、何よりびしょ濡れでぬかまみれの大量の皮が出ないのでゴミの始末が楽なのが良い。
 
またそれで疑問に思ったのだが、そもそもあんなゴワゴワした硬い皮と一緒に長いこと茹でていたら皮からアクが煮出されてそれが逆に実の方に染みてしまったりしないのか、ということ。*1

二つの仕方でやってみて、先に皮を剥いて茹でても特にデメリットは感じなかったし、逆に皮を付けたまま茹でることのメリットというのも特に感じられなかった。
昔からのやり方というものにはやはり理があることも多いが、しかし「皮を剥いて茹でるとこうなっちゃうから駄目だよ」ということを実際に比較した上で説明しているものは調べてみても見つからない。

鷹の爪ももう入れないけど、米ぬかはまた別に考えがあって一応まだ入れてます。
 

*1:もし皮からアクが出でそれが分解とかされないままの状態なんだとしたら、茹で湯に浸けたまま自然に冷ますというのは増々逆効果になると思う。

「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」って単なるコミックソングかと思ってたら、

これが予想外でなかなかの物。
この間、山下達郎さんのラジオでかかっていて初めてちゃんと曲を聴いた。

まあ芸名からして「左とん平」なんてふざけた名前だし、実際ナンセンスな歌詞にすぐに笑ってしまって、しかし聴いていくうちに、とん平さんのシャウトはかっこいいし演奏はしっかりしてるし、実は歌詞もなんだか深いところあるなと感じてしまったのだった。


Hey You Blues - Tonpei Hidari
でもこれ、ブルースじゃなくてソウルだ。とん平のヘイ・ユウ・ソウル。
「すりこぎ」なんて歌詞なかなか普通書けない。作詞を担当したのは郷伍郎


こういうたわいもない戯作のような歌でいて思いの外歌詞が鋭いって、あるんだよな。
これは更に古いところで「有難や節」。

有難や節 - 守屋浩
 

ほめるならほめる。けなすならけなす。2点セットでやらない。

お前はダメだな、それに比べてあいつは大したもんだ。
この作品は凄いよ、それに対してあれのレベルの低いこと。
 
Aをけなし、返す手でBをほめる。またその逆のパターン。
こういうのは気をつけたい。
 

ボーナストラックの収録も良いような悪いような

昔のブルーズやソウルのアルバムなんかは、出したシングル曲がたまったらまとめてアルバムにして発売する、という安直なやり方が多かったから、そもそもアルバムのコンセプトとか無いしそれほど統一感もない。
だからそういう古いアルバムに後になってボーナストラックが追加されてもそう大きな影響はないし、私としてはむしろ曲が多く聴けるので嬉しい。
 
しかし最初からアルバムを作る考えで作ったアルバムにボーナストラックが追加されたような場合だと、ボーナストラックの追加によってアルバムの完成度というか統一感というかが損なわれているのを時に感じる。
 
なので、本来ならこのラストの曲で気持ちが高まって終わり、というところでまた曲が始まってしまうようだとボーナストラックを聴かないで止めることもある。

ボーナストラックって、DVDで言えば特典映像みたいなものなんだから、ボーナストラックの前で一度再生が終了するような初期設定があってもいいように思う。