竪穴式住居の名は、平面が、防寒のため地面を掘り下げて浅い穴状になっているからだが、
まず竪穴の深さから。身長より深い例まで知られている北海道から浅い南九州までさまざまあるが、場所ごとの ”凍結深度” で決まった。冬、大地が凍る深さより深く掘らないと、寝ている時、凍死はまぬがれない。一万年前の上野原台地は、20㎝も掘れば地温は零度以上あったことになる。
寡聞にしてこういう説は今まで知らなかった。屋根があってもそのままの地面に寝ていては凍死してしまうということか。
考えてみれば、まず床がない。もちろん布団のような寝具なんてない。衣服もどんなものだったか。冬は互いに抱きつくように身を寄せ合って寝ていたことだろう。
それで凍らない深さまで地面を掘る。だから穴の深さは土地の気候の寒暖によってかなりの差、1mを超えるような差があるわけだ。