膨らまない話。

Tyurico's blog

方言「ちちまわす」の「ちち」はたぶんこういう意味

 
大分県の「ちちまわす」という方言、むかしマンガの『あたしンち』で知った。

マンガの中で大分生まれのお母さんがなんとか意味を説明しようとするのだがなかなか上手くいかず、「ぶつ?」とか「たたく?」とか、結局納得がいくような説明ができないでマンガは終わる。

ずっと後になって気付いたのだが、この「ちちまわす」っておそらく「ぶちまわす」というのが変化したものじゃないか。「ぶちまわす」という言い方は普通しないが「ぶちのめす」と同じだと考えればいい。(調べたところ「ぶちまわす」という古語は見当たらないが、広島や茨城の方に「ぶちまわす」という同様の方言があることがわかった。)

やはり大分生まれのお父さんが「ちころせ!」という他の例を言っててそれで見当がついた。
「ちころせ」は「ぶちころせ」、「ぶっころせ」ということだろう。
 
「ぶち」は「打ち」の変化で、例えば古語の「打ち遣る」というのが変化してある地方では「ぶちゃる」という方言になり、また他のある地方ではそれが「べちゃる」となって、さらに「びちゃる」ともなる。
これは相撲の決まり手「うっちゃり」とも通じていて、共通する意味は「投げ捨てる」とか「放り投げる」といったところだ。本体ではない「打ち」の部分は結構色々に変化する。

だから「打ちまわす」または「ぶちまわす」が変化して「ちちまわす」となったと考えればスッキリする。
こういう説明をしてる人は誰もいないけど、間違いなくそういうことだと思う。
 


 
あと福岡の「くらすぞ」って方言は「くらわすぞ」、「(ゲンコツ)食らわすぞ」ってことだよね。おそらく。これも誰も書いてないけど。
 
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