膨らまない話。

Tyurico's blog

ヒロポンが当たり前だった頃の話をいくつか

 
ここで紹介されているのは錠剤。錠剤のヒロポンもあったんだ。ていうか最初はむしろ錠剤だったのか?
www.tpa-kitatama.jp
 
こちらは新聞記事の切り抜き。チクロパンというのは次に紹介する本にも出てきた。チクロパンはヒロポンとは逆方向に作用するクスリなんだな。
mita-archives.com
 
山城新伍さんの『おこりんぼ さびしんぼ』 より。

 当時、昭和三一、二年頃は、ヒロポンはまだ禁止されていなかった。ヒロポンは薬局でも買えたし、チクロパンというのは煙草屋で買えた。
 そういえば、藤尾純さんという浅草の軽演劇のスターだった人は、ある雑誌の人気コーナーであった「スターの趣味」の取材でこういったのだそうだ。
「困ったな、オレはヒロポンぐらいしか趣味がないんだよ」
 取材に来ていた記者は、ポン、と膝を打った。
「いいじゃないですか。それでいきましょう」
 出来上がったグラビアには、カーマニアの誰々さん、ガンマニアの誰々さんと並んで、左腕に自分で注射器を当ててにっこりほほ笑む藤尾純さんが写っていた。
 そのページに真面目に見出しが打ってある。「ヒロポニアの藤尾純さん」。ぼくはこの誌面を藤尾さんから見せてもらったことがある。
 そういう時代だった。
 深夜の撮影になると東映の社内アナウンスで、
「○×さん、製作部にお薬(ヒロポンとフリガナ)が届いております」
と、平気で流されていたのだから。