膨らまない話。

Tyurico's blog

『QRコードの奇跡 モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ』を読む

 
開発したのはデンソー
QRはクィック・レスポンスの意味。
一次元コードのバーコードに対してQRコード二次元コード(タテ・ヨコ2方向)で格納できる情報量が多い。
QRコードは角3箇所に目印がある。
目印のおかげでコードの認識が正確で速い。
ただ確実に判別される目印の形を見出すまでの作業が大変だった。

トヨタ向けの「かんばん」を電子化するためにまずバーコードを導入。
油で汚れることが多い製造現場でもコードを読めないと意味がない。
デンソーバーコードリーダーは高精度の読み取りでコンビニの商品管理に威力を発揮する。
それまでのバーコードだと読めないような状態のものでも読めた。
(初期にあった安価で簡易なバーコードリーダーはペン型で、コツが要る。バーコード自体の歴史は意外と古いのだが、普及していくにはリーダーの使いやすさが重要だった。一発でパッと読み取れること。)
トヨタ生産現場でバーコードでは処理しきれない情報量になっていく。「かんばん」のサイズが大きくならざるを得ない。二次元コードの必要性。

二次元コードは既に海外で開発がされたものがあった。
デンソーが独自開発に着手したのが1992年。
QRコードは特許で囲い込まずオープンソースとした。
トヨタでの採用、トヨタグループ、それから自動車業界全体に拡大。
海外のトヨタ工場でも導入させて広め、やがて国際自動認識工業会での標準化を成立させる。
現在QRコードは世界中に普及しているが、良い物だから自然に広まったのではなく、標準化(スタンダードにする)の努力があってのことだった


「日本発で国際標準になった」は嬉しいが「稀有なイノベーション」というのが寂しいな。